今回の記事では、新人看護師の情報収集の仕方についてお話ししていきます。
毎日、目の前のことに必死な新人看護師時代。情報収集って難しいですよね。
朝早く職場に着いて、頑張って情報収集してみるけど業務が始まって言われる言葉は「情報収集した?」
こんな経験ありますよね。私もそうでした。
患者の大切な情報がないと看れるものの看れない。これは、ごもっともなんですが、私が新人の時に思っていたことは「効率の良い情報取集の仕方教えてくださいよ」と毎日思っていました。
そこで今回は、新人看護師の情報収集スキルを高める方法について解説していきます。
私は新人から急性期である大学病院で過ごし、転職したのちにチームリーダー、教育責任者になっている7年目の男性看護師です。
是非参考にしてください。
怒られない情報収集の仕方5選

指導者から「少し成長したね。」そう言ってもらえるように、尚且つ効率の良い情報収集の方法を説明していきます。
情報収集の要点は以下5点です。
・バイタルサインを追う
・処置歴を見る
・既往歴チェック
・点滴の種類を把握
・検査歴を披露
1つひとつ細かくみていきましょう!
バイタルサインを追う
先ずはバイタルサインから情報収集しましょう。
何を差し置いても、ここからです。体温、血圧、脈拍、尿量や血糖値の経過を見ます。
「熱は出ているのかな?」「ここ数日血圧が高いぞ。」「何か尿量が減ってきている気がする。」など考える材料を確保することが必要なのです。
朝の部屋回りで患者の状態観察を行い、一つずつ確認していきます。
これらの情報がない場合、ただ血圧測定する、尿量みる。変化に気づけないまま終わってしまう。その結果、報告した時に「情報収集した?」指導者に聞かれるわけなんです。
ざっと3日間くらいの経過を見ておけば、比較材料にはなるでしょう。
例を一つ出すと、2日前に38度まで体温上昇している。前日、解熱剤が投与され、36度台まで下がっている。食事はあまり食べられていない。尿量も少ない。
今日見るポイントは?
水分が摂取できていないので、水分摂取の励行や、脱水のチェックをしなければならないですね。食事や水分摂取ができなければ、点滴投与も検討していく必要がありますね。
熱の再燃はありそうですか?解熱剤は何使ったんだろう?
ほんの簡単にですが、経過を知ればその日看るべきポイントも見えてきます。これが、情報取集です。後は、そこに疾患を照らし合わせていけば様になってくる。
練習していきましょう。
処置歴を見る
処置歴も見ておきましょう。
その人に行なっている処置を見れば、どういう状態なのか、何となくイメージができてきます。
仙骨のフィルム交換をしている。何やら褥瘡があるらしい。でも、フィルムの種類も変わってきており、悪化している。
「栄養状態が足りてないのかな?」「食事は取れている?」「血糖は・・ずっと高い。」糖尿病の血糖コントロール中で、傷の治りに時間がかかってるのか?
少し把握できましたね。
処置を見れば、どのステージにいて、どのような状況にいるのか把握しやすいです。あとは、ラウンドで実際に状態を見てみましょう。
朝のうちの情報を把握しておけば、なぜその処置を行うのか?根拠を持って答えることができますね。
既往歴チェック
入院時の疾患だけチェックしていませんか?
それだけでは少し不十分と言われる可能性は高いです。
急性心不全で入院した患者がいたとします。
その人の背景には、脂質異常症や高血圧もあります。過去に冠動脈が詰まり、心カテもしてました。今回の入院で3回目。バイタルサインも安定しており、ここ数日は落ちついている。
疾患が再発しないように、生活指導を行っていく必要がありますね。これも、立派な看護になります。
既往歴からは、その人に何が必要なのか?生活背景なんかも見えてきます。
また、状態が悪ければ、状態悪化に関係している疾患を見つけることもでき、治療方針の検討材料にもなるので、患者さんを看ていくには、必要な情報なのです。
点滴の種類を把握
治療の一つに「点滴」があります。
今受け持っている患者さんの点滴の種類理解していますか?
当たり前ですが、点滴は目的があって行われるものです。
脱水に対しての補液、心不全に対する昇圧剤、食事ができない方への栄養剤など目的が必ずあります。
点滴の種類がわかれば、患者がなぜその点滴が必要なのかを考えることができます。どういう状態なのか、アセスメントしやすくなるんですね。
指導者が聞くのは「その点滴ってどうして繋げるの?」
これは私もそうですが、必ず聞きます。ここを理解していないと、誤投与というインシデントを起こしてしまうリスクもありますし、患者を理解して処置をしているのか、確認するためです。
朝情報収集している時に、この点滴の情報があると根拠がありながら部屋周りができるので、是非習慣化するようにしましょう。
検査歴を拾う
検査歴もチェックしておきましょう。
採血やレントゲン、CTの結果、どういう状態なのかすぐに把握することができます。
バイタルサインなど数値化されていないものもあるので、患者を知る指標になります。
例えば、肺のレントゲンを撮っているなら、肺炎、胸水の状態がどういう推移を辿って、今どういう状況なのか知ることができます。
その情報と伏せて、バイルサインや点滴の情報をチェックできるようになれば、情報収集が様になってきます。
新人看護師の働き方について他にもまとめていますので合わせてご覧ください。3分で見終わるので、通勤途中にどうぞ!

先輩看護師の口頭申し送りを聞いてみる

私の新人時代は口頭申し送りだったんですが、今は用紙に記入する病院も多いようです。ですが、大切な情報は口頭で送ることが多いです。
必要な情報を迅速かつ正確に送っているはずです。少し、どのような内容だったのか思い出してみましょう。
要点に分けて送っているはずなので、その要点をメモ帳に記載しておきます。それだけで、どのようなことに注意して患者を見ているのか、一発でわかります。
同じ患者を受け持っていても、もっと深い視点で見ています。
全く違うところを見ている。ということに気付くかもしれません。それも勉強です。
看護師も人間ですから、機械のように全ての情報を頭に入れて働くことは不可能に近いです。ものすごく記憶力のある人であれば別ですが、大抵は不可能なのです。
だったらどうするのか?
必要な部分のみを把握し、全体を網羅すれば良いのです。
それができないのが新人。
なので、前に説明した5つの項目と、先輩の申し送りを聞きながら練習していきましょう。これができれば、大体はカバーできます。
まとめ
新人の課題である情報収集には、コツがあります。
情報収集を行う上で大切なことは、要点をまとめて行うこと。
バイタルサイン、処置歴、既往歴等5つの項目に従って情報収集して見ましょう。先輩の申し送りを聞くのも忘れずに。
新人時代は多くの課題が付きまとうものです。これは、しょうがない。
後は、コツを掴みつつ、乗り越えるしかありません。
私は、毎日怒られながら新人時代を過ごした人間です。同期は全員辞め、自分一人取り残された程です。もし、情報収集以前に、同じような境遇の方がいたら転職することをオススメします。
もっと、自分に合う病院は必ずありますから。それこそ、ゆっくり学べる環境もあります。
やりがいを持って働ける職場で働くと、看護師って楽しいと思えるんですよね。
そう思いたい方がいたら、まとめた記事がありますので是非ご覧ください。

参考になっていただけたら、幸いです。