今回は急性期の準夜勤が辛すぎた理由についてお話ししていきます。
看護師で3交代の病院であれば存在するのが「準夜勤」
夕方〜深夜にかけてのシフトです。
私は、大学病院の急性期で3年働いていましたが、準夜勤が一番辛かったのを覚えています。今は、慢性期の2交代ですが、こちらにして良かったです。
急性期の準夜勤は本当に覚悟しなければ、心が折れます。
一体何がそんなに辛いのか?
実体験を交えて説明していきます。
準夜勤とは?

3交代で言うところの、真ん中のシフトになります。
時間は16時30分〜0時30分まで。情報収集や点滴準備のため、15時30分には病院に着いていました。
記録や緊急入院対応をしているので、帰りが1時や2時になることなんて日常茶飯事であります。短い時間なのにやることが多すぎる。それゆえに、残業もかなり多くなります。
日勤と違って、チームの看護師は2人。たった2人で50人近くの処置や点滴をしていきます。今思えば、よくこなしているなと思います。
少し詳しくスケジュールを見ていきましょう。
準夜勤のスケジュール

大学病院の急性期時代、実際に私が勤務していたスケジュールを紹介していきます。多少の時間のズレはあるものの、準夜勤の大まかな時間は変わらないので参考にしてください。
15:30 出勤、情報収集、点滴作り
16:00 日勤者からの申し送り
16:30 巡回、点滴交換
18:00 配膳、食事介助、与薬、口腔ケア
19:00 バイタルサイン測定、体交、点滴交換
20:00 食事休憩
21:00 消灯、巡回、体交、バイタルサイン測定、点滴交換
22:00 点滴準備、記録
23:00 巡回、バイタルサイン測定、体交、点滴交換
24:00 深夜勤者への申し送り
24:30 退勤
これが基本的な準夜勤のスケジュールです。急変等何もイベントがなければ、この通りに行くのですが、それは稀です。
特に辛いのは、18:00〜19:00の時間帯。
この時間は食事配膳や食介をしながら、点滴交換もあり、重症患者のバイタルサイン測定を行わなければならない。「体が二つ欲しい」と思うくらい多重課題をしなくてはならないので、辛いです。
日勤、深夜も同様に、大学病院の急性期は忙しいことがほとんどです。辛すぎて転職したエピソードもまとめていますので、気になる方や同じ境遇の方は是非ご覧ください。

急性期の準夜勤が辛すぎた理由5選

スケジュールがわかったところで、辛すぎた理由について説明していきます。
✅緊急入院対応が辛い
✅食事介助、点滴交換など多重課題が辛い
✅記録をする暇がない
✅少人数での急変対応
✅残業が辛い
以上5つが辛い理由です。
急性期の準夜勤は人数が少ないのに、やることが多すぎるのが事実としてあります。客観的にみると「そんなに忙しい?」と思うことでも、実際にやってみると、忙しい現実に追いつけない方もたくさん見てきました。
中途で入ってくる方も、忙しさに挫折してしまう方が多くいます。
辛かった理由5つについて、一つひとつ説明していきます。
緊急入院対応が辛い
急性期なので、日勤同様に夜勤でも緊急入院が入ってきます。それが、19時台だった場合、1人付きっきりになるので、その他の業務を一人で行うことになります。
大量の点滴交換、薬の与薬、重症患者の処置をたった一人で行うのは辛すぎますよね。
緊急入院も、当然重症な状態で来ますから、Drの指示を一人で受けながら一人で対応します。場合によっては挿管介助、Aラインも作るので、通常業務に戻れるわけもなくひたすら対応します。
結果、休憩にも入れず、記録も書けない。それだけに、準夜勤での緊急入院対応が辛いのです。
食事介助、点滴交換など多重課題が辛い
準夜勤は、少人数で回します。
それゆえに、一人当たりの業務量が増えてしまう。食事介助や点滴交換、その他の処置を優先度をつけながら処理していく。
立ち止まって考えている時間はないので、常に頭の中で考えて行動しなければなりません。新人のうちはこれができず、ほとんどの業務が押します。
指導者もついていますが、人数が少ないので忙しい。聞きたい時に傍にいないという事態も十分あり得ます。
そんなプレッシャーの中で行う業務が辛いですね。
記録をする暇がない
スケジュール上は22時に記録をする時間を設けているのですが、業務が押しているのと、次の業務の準備がありますので、記録を書く暇がないんです。
大体、全ての業務が終了するのが定時だとしたら、そこからやっと記録を書くことになります。結果、残業ですよね。
どんなにベテランの方でも定時に帰るところを見たことがないので、準夜はやっぱり忙しい。新人時代は3時までかかることもしばしばありました。
合間で記録が書ければ良いのですが、日勤や深夜でなければ難しいです。
少人数での急変対応
日勤で急変が起こった場合、空いている人で対応することができますが、準夜勤ではそれができない。
限られた人数で対応することが辛いですね。
他にもやることがたくさんあるのに、それらを投げ出して急変対応しなければならないので、患者によってはクレームがくることもしばしば。
メンバーによっては、自分が一番上の時もあり、責任重大。後輩のフォローもしながらの急変対応が難易度も高いです。
残業が辛い
日勤同様、準夜勤でも残業はあります。
大体2時間から3時間の残業だと、終わるのは2時、3時。次の日も準夜勤だと、休まる時間はほとんどありません。
急変対応や記録が終わらない、処置が多いなど、ちょっとでも予定外のことがあると人数が少ない分、残業する確率は高くなります。
慢性期の2交代との違い

これまで、急性期の3交代の辛さについて説明してきました。
「これ程までに辛いのか」と毎回思っては、辛い日々を過ごしてきたので、2交代になってからは世界が変わりました。
慢性期の2交代では、準夜勤とは違い、比較的ゆっくり仕事ができます。
3交代と2交代ではかなりの違いがありますので、紹介します。
・緊急入院が少ない
・食事介助、口腔ケアに集中できる
・業務の合間で記録ができる
・急変対応が少ない
・残業はほとんどない
これだけの違いがあります。点滴交換も少なければ、緊急入院でばたつくこともない。
これに慣れてしまうと、急性期の準夜勤は辛すぎて戻れません。
夜勤の疲労感も違いますし、残業が少ない分他のことに時間を使える。3交代だと、シフト上ほとんど休日がないことになりますからね。
3交代から2交代に変わってから起こった変化、メリットなど紹介している記事もあります。そちらも合わせてご覧ください。

まとめ
急性期の準夜勤は、緊急入院対応や食事介助、点滴交換など多重課題が多い、記録をする暇がないなどの理由でかなり辛いです。
残業も多々あり、少人数であることのプレッシャーもあります。ある程度の覚悟を持って働くことが必要になってきます。
これが慢性期の2交代と比較すると、全て解決することができたのがわかりますね。
精神的、身体的な疲労感が取れ、時間にゆとりができたら、あなたは何がしたいですか?
それを叶えるためなら、一歩勇気を出して相談してみましょう。
