今回の記事では、残業ばかりで帰れない理由と、5つの対応策についてお話ししていきます。
看護師っていうやつは、なぜか定時に帰ることができないんです。
3年間大学病院で働いて、定時に帰れたのは2〜3回です。毎日、毎日帰れない日が続き、疲れはたまる一方。
なぜこんなにも残業が多いのでしょう?
残業が多い理由について実体験を基に説明していきます。また、理由だけではなく対応策についても紹介していきます。
・残業が辛くて、仕事が嫌いになっている方
・残業の理由が知りたい方
・残業の改善策が知りたい方
是非参考にしてください。
目次
残業が多い理由

2017年の看護職員の労働実態調査では、1回の仕事の前・後で1時間から1時間半は働いているという結果が出ています。さらに、その内の7割はサービス残業です。
どんな内容の残業が多いのか?
✅情報収集が多い
✅記録が多い
✅急変対応
✅研修、勉強会、委員会
✅指導
残業理由として多いのは以上の5つです。実体験を基に細かくみていきます。
患者の情報収集を行う
始業の30分〜1時間前に職場に着き、受け持ちの状態把握(バイタルサイン、尿量、心電図波形、夜間の様子など)や、点滴作り、1日のスケジュールの組み立てを行います。1日に受け持つ人数が多い程、その時間は多くなります。
これらは全て始業前のサービス残業になりますね。看護師の場合は、始業開始ギリギリに着くと仕事にならないので、半分強制で始業開始前の残業を行なっています。

自分は朝一でのオペ出しに当たった場合、9時に病棟からオペ室まで移動しなければならないので、それまでに点滴作りやルート取り、薬剤整理までをするので、7時に病棟へ着かないと間に合わないですね。これだけでもサービス残業は1時間半です。
記録が多い
患者の状態についてのアセスメント記録やバイタルサインの変化、急変時の処置記録、オペ出し後の記録、疾患指導の説明、IC内容などとにかく記録をすることが多い。
さらにその記録を書くにも、患者の対応や入院、処置対応などで記録をする時間を確保できず、定時後から記録を書き始めるため残業に繋がります。
急変対応
重症患者の急変(CPA、VFなど)、緊急入院の対応などで時間が取られることがあります。普段通り業務を行っていても、患者さんが常に同じ状態とは限りません。そのため、急変する可能性も十分にありえます。
どんなに多い人数を受け持っていても、急変が起きれば自分で対応しなければなりません。そのため、朝一で計画した処置の時間などが押してしまうために残業になります。
自分の場合、14時から緊急でカテ室に入ることになり、そこから心房細動に対してのアブレーションということで6時間病棟に戻れないこともありました。
また、15時からの緊急入院で、清拭や糖尿病の指導ができずに22時まで残業するなど日常茶飯事でありましたね。
研修、勉強会、委員会
病棟によって開催されるものや、病院全体で開催される研修などに参加することがありますが、それが業務内に行われることにより業務が押す、業務外で行われても残業になるというものです。
毎回参加していたら、帰れるわけないんです。
定時から2時間の研修を受けて、そこから記録をすると終わるのが20時近くになるのは当たり前。自分の興味のある分野なら良いのですが、全く関係のない勉強会に参加して帰宅時間が遅くなることも多々あります。
自分が休日の日に開催されるものだと、休みを削って参加しなければならないためそれだけで休暇中の残業になります。
毎日病院にいる感覚になり、オンオフの切り替えができないのも辛いですね。
指導
先輩の指導を受け、残業することなんて、新人の頃なら当たり前にある世界。逆も然りで、3年目になった頃には新人指導の立案や、計画作り、日々の指導で週に20時間残業することもありました。
指導する方も、される方も帰れないという辛さがありながら、日々の忙しい業務も重なって辛いですね。
残業対策5つ

残業している理由はわかりました。では、どのようにすれば残業をなくせるのか?
残業に対する対応策を紹介していきます。
✅空き時間で記録を書く練習
✅手伝いを依頼する
✅できるなら翌日の情報収集
✅何に時間がかかっているのか分析
✅残業しなくても良いところへ転職
実際に自分が立てた対応策を使いながら、残業を避けることができた事例もありますので、ぜひ参考にしてください。
空き時間で記録を書く練習
バイタルサイン測定や、処置で部屋を巡回する際に、測定しながら記録を書く、オペ出しとオペ出しの間で記録を書くなど空いている時間で素早く記録を書く練習をしていきます。
新人の方は難しいかもしれないですが、業務に慣れてきた時に隙間時間を見つけることができます。そこをフル活用して記録を書けるような習慣にすることで残業を減らすことができます。
手伝いを依頼する
どうしても、自分一人では業務量が多すぎる時があります。どんなに計画を立てても定時では終わらない計算です。
そんな時、病棟のメンバーに仕事を依頼できれば残業時間を減らすことができます。ただ、自分が苦手な人、頼りにできない方も居ますので人は選んで依頼することになります。処置の1つやオペ室への送迎、入院の一部を助けてもらうだけでも違いますからね。
翌日の情報収集
これは朝の情報収集の時間を少し減られることができる方法です。
前日にリーダーが受け持ちを決めるのですが、それがわかれば入院目的だったり、日々のバイタルサイン変動の情報収集をすることができます。どんな処置をしているのかも。これらの情報が頭に入っているだけでも、朝の出勤にゆとりが持てるわけです。
前日が休日の場合はこの方法は使えないので、限定的にはなりますが効果ありです。
何に時間がかかっているのか分析
日々残業が多い中で、そのうち何に時間がかかっているのかを分析し、改善していく方法です。
自分の場合は、処置や記録に時間がかかっていたので、処置のスピードを上げるために練習し、記録は業務の合間に書けるように練習しました。
急患や急変がなければ残業時間を減らすことに成功しましたが、自分の病棟では緊急入院や急変は日常茶飯事だったので、早く帰られる日は稀でしたが、他の病棟であれば十分効果に期待できる方法です。
残業しなくても良いところへ転職
どんな対策を立てても残業がなくならない。そういう病棟もあります。
その場合は、思い切って転職したほうが良いです。
自分がそうでしたが、対策を立てても人数が足りない、急患が日常的にある状態では残業はなくなりません。カテ室にも入らなければならないので、病棟との二重業務により帰れない日がほとんどでしたね。
他の同期は残業ほとんどせずに、有意義な看護師生活をしているのも羨ましかったですし、疲労感や精神的に辛くなっている方もたくさんいると思います。
急性期だと、どうしても残業は多くなります。そのため、ゆっくり学べる慢性期や回復期、緊急入院がないところへ転職すると「残業」で悩むことはなくなりますね。
今の自分がそうですが、転職して本当に良かったと思えます。勉強する時間も確保できるし、プライベートも充実するしメリットばかりです。
興味がある方、残業の生活から解放されたい方は一度相談することをオススメします。
転職に関しては他記事で細かく解説していますので、じっくり考えてから決めたい方はそちらもご覧ください。

まとめ
大学病院や、病床数を持っている大きい病院、急性期はやることがたくさんあり、とにかく忙しいです。月に20〜30時間の残業が当たり前な世界。
こんなの、おかしいですよね?でもそれが現実。
もちろん学べることは多く、看護師としてのレベルアップは間違いなくできます。しかし、考えてみて欲しい。心も体も披露してしまっては、仕事どころではありません。
ゆっくり学んで、心が充実している方が楽しいです。転職して本当にそう思います。看護師としてもレベルアップできますからね。
「残業」は自分を見失いかねません。過去の自分がそうだったように。
辛いなら次のステップへ行きましょう。転職をオススメします。
