今回の記事は、急性期病棟の看護師1日スケジュールについてお話しします。
看護師で働いている人の中には、「急性期」に就職したい人もいます。ですが、ネットで調べたところで詳細なスケジュールが書いているものってないんですよね。もしあったとしても、病院の定時のスケジュールなので参考にならない。
そのせいであんまりイメージができないんです。
私は新人からの3年間、大学病院の急性期で3年間働いていたので、良いところ、悪い所はもちろん知っています。また、リアルに詳細なスケジュールを説明することができるのです。
・急性期で働くことを考えている方
・急性期の1日のスケジュールを知りたい方
是非参考にしてください。
目次
急性期の病棟1日スケジュール

実際に私が働いていた急性期病棟の1日スケジュールを説明します。科によって多少の差はありますが、急性期の大体のスケジュールは網羅されていますのでご安心を。
・循環器
・OPE出しあり
・緊急入院あり
・日勤人数5〜6人
簡単に特徴もまとめてみました。この体制での、とある1日のスケジュールを紹介していきます。看護師3年目で残業確定した時のスケジュールです。
7時00分
病棟に出勤します。この時点で始業開始1時間以上前です。急性期では、始業前残業も当たり前にあります。それは、そうしないと業務ができないからです。
この時間には情報収集、点滴詰め、朝一手術前の準備を行います。
1日に受け持つ患者の数が12〜15人ともなると、情報収集するだけでもかなりの時間を要します。更に、この人数全員が点滴していると考えると、その数だけでも膨大な量の点滴を作らなければなりません。
朝一の手術があれば、患者さんにルートを取ったり、薬剤の準備、心電図を付けるなどの準備が必要になってきます。
これら全てを行う時間を考えると、始業前1時間〜1時間30分前から出勤しなければならない。急性期の辛いところです。
8時30分
この時間では夜勤から日勤への申し送り、朝のカンファレンスを行います。
朝のカンファレンスでは、最近のリハビリ状況や、急変しやすい患者をピックアップ、退院支援に該当する患者の検討などを行うため多少時間がかかります。
9時00分
当日受け持ちの部屋回り開始です。
早速、朝作った点滴を繋げて歩きます。
夜勤から日勤帯へ交代するときに切れる薬剤がありますので、24時間持続で施行しているものならすぐに交換しなければなりません。
それが終わったら重症な患者のバイタルサイン測定開始。意識レベル、心電図の変化、夜間の状況も把握しつつ、尿量や肺音などもしっかり確認です。
10時00分
受け持ち患者の中に手術を受ける方がいるので、時間になったため手術室に下ろします。必要な点滴、患者情報を準備して送ります。
家族の面会時間も調整しつつ、電子カルテ上の設定など細かい作業もするので少し時間がかかるのが大変。
10時30分
OPE出しも落ち着いた頃に清潔ケアを行なっていきます。
尿カテが入っている患者の陰洗、挿管、ルート類がたくさん付いている患者の清拭を行うのですが、これも慣れていない間は時間を要します。皮膚状態の観察は忘れずに。
清拭等が終われば、間髪入れずに軽傷の方のバイタルサイン測定に向かいます。その間に切れる点滴の交換や緊急で入った静脈注射、採血、トイレ介助、CTやXP、他科受診も同時並行です。
12時00分
ここで昼休憩です。1時間確保できるようになっていますが、その間に手術が終了して迎えに呼ばれたので、30分で切り上げて業務再開です。
状況によっては昼休憩に入れないことも十分あります。
13時00分
ここからAMできなかった処置を行なっていきます。CV挿入部の消毒、皮膚処置を順番にこなしていきます。
ここで、午後から繋げる点滴詰めを開始。4人分の点滴を作り、繋げに向かいます。
14時00分
一度看護師がステーションに集まり、心リハの状況や生活指導の状況などのカンファレンスを行います。
疾患の受容がされているのか、受け持ち患者で困っている事例があるのかなど30分程かけて他職種で話します。もちろん、急患がある場合はこの時間を取ることはできません。
15時00分
心不全、糖尿病、腎不全の方への食事指導や運動指導を行なっていきます。
これは循環器ならではといいますか、生活習慣病が大きく関わっている疾患が多いため、退院後の生活で再発しないようにパンフレットを用いながら生活指導を行うのです。
必要に応じて栄養士にも同席してもらいながら、説明していきます。急性期でありながら、こういった説明や指導に時間を取られるので、同時並行していくのがとても難しい。
16時00分
緊急入院が入ってきたので対応します。
ルート確保、点滴作成、挿管介助、モニター装着等時間が取られてしまいます。その間記録はできず、付きっきりで対応しなければなりません。
もし、緊急カテーテルだった場合はそのままカテ室に入るので何時に終わるのか全く予想でいない日もあるくらいです。
18時00分
ようやく落ち着いたところで、記録開始します。当日行った処置や、バイタルサインの変化やアセスメントを一通り入れていきます。
そのほかに指導の記録、先ほどの緊急入院の情報も全て入れていきますのでかなりの時間がかかります。この記録を合間に入力することができれば良いのですが、大体は間髪入れて処置等が入って来るため何もできず定時過ぎに行うことがほとんど。
看護師3年目に入っても残業避けるのは至難の業です。
22時00分
ようやく記録、リーダーの手伝いが終わったところで帰宅時間です。
この時間でも業務終わっていない人もいる程です。
緊急入院がある日は大幅に時間が押すことが多く、残業はまず間違いないと考えてください。
急性期では処置、点滴、患者への指導、カンファレンスとやることがとにかく多いです。これに急変対応も重なることもたくさんあります。記録はほとんどできず、残業する日も多い。
こんな日常がほとんどですね。自分の病棟は特別忙しいというのがありましたが、他病院の急性期でも多々このような現状であるというお話をよく聞きます。
そんな中、私は転職し、今は慢性期で残業なく仕事をしています。
22時終わりが17時30分終わりです。その差、約4時間。これは大きでいす。
それでも、チームリーダーとして働き、認定看護師を目指すレベルまで成長できるので、急性期のスケジュールが辛い場合は転職相談するのがオススメ。

急性期ならではのケア、処置

急性期の1日のスケジュールは大体把握できましたでしょうか?
病院パンフレットに書かれているものや、その他紹介されているスケジュールとは大きく違うと思います。ですが、これが現実。急性期に行くのであれば体力は必須ですね。
要領を掴むまでが大変なイメージです。
急性期ならではのケアや処置についてまとめてみました。
・手術出し、準備
・点滴作成の多さ
・Drの介助
・疾患の指導
・重症対応、緊急入院
・多重課題
これらが代表的なものです。全科に共通するものですね。
ここをクリアできるかが問題になってきます。特に、多重課題は急性期の一番の特徴。
スケジュールにもありましたが、処置、ケア、指導などやることがとにかく多い。そのため、同じ時間に2つ以上並行して行わなければならない場面に当たることも多々あります。
その時に優先度を考えながら動けるか。
新人、慢性期から急性期へ異動した方は苦戦します。
まとめ
急性期は想像の通り、忙しいのは間違いありません。
始業前残業に始まり、処置、ケア、指導、入院対応など多重課題が毎日あります。帰れない日も続き、疲労も溜まるでしょう。
ただ、看護師としてスキルアップすることもまた間違いありません。疾患の知識、処置のスキル、急変対応など覚えていくので、どこに行っても通用する看護師に成長できます。
それでも、辛いでしょう。
どうしてもバタバタした病院が合わない場合もありますから、そこは無理せずに。
中には、同じ急性期でも残業がほとんどない素晴らしい病院もあるので、一度転職相談してみるのもオススメです。私は「マイナビ看護師」に相談しましたが、オススメの転職会社を紹介しておきます。
長い看護師人生。今ある病院が全てではないので、自分に合った病院で、やりがいを持って働くことが一番です。